Codo Advisory は、世界と日本の気候変動対策や企業のサステナビリティに関する最新のイベントやトレンドをお伝えしております。直近の注目ニュースをまとめてご紹介いたします。
日本 | 日本と中央アジア 閣僚級の政策対話 ー 温室効果ガス削減へ協力
- 日本と中央アジア5か国 (カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)は、脱炭素化とエネルギー分野で協力するため、新しい提携を結ぶことを発表した。
- 日本の技術と財政支援を活用して、この地域での脱炭素化取り組みを加速することが目的だ。
- 当イニシアティブは、中央アジアが豊かな天然資源とエネルギー潜在力を持つ中で、ロシアと中国の影響に対抗する戦略の1つでもある。
- 重要な焦点として、2050年以降の実質ゼロ排出目標の達成と、温室効果ガス削減のための双方向クレジット制度の推進があり、日本の技術提供が行われる予定だ。
- 詳細はこちらの記事をご覧ください: Nikkei Asia, NHK News
Codoのコメント: この新しい提携は、日本にとって戦略的に優れた一手となるだろう。日本の貢献は、主にCCS(炭素捕捉貯留)およびアンモニア/水素技術であると予想される。これらの技術は、長年にわたり、日本国内で開発が進められてきた。日本のグリーン技術を国際的に提供することは、中国のグリーン技術製造および諸外国への提供(主に太陽光発電および風力技術)に対するこれまでのリーダーシップに挑戦するものといえる。中央アジア5か国での実施は、地理的にも中国のシルクロード及び一帯一路の中心地に位置している。
技術提供と二国間クレジット制度を組み合わせることで、日本独自の技術の使用を奨励している。Codoは、日本政府は、近ごろ新たに設立した国内のカーボンクレジット市場に国際的なプレイヤーを参入させ、日本企業が購入できるカーボンクレジットの総量増加を試みているものと推測しています。なお、多くの日本企業は2030年および2050年の排出削減目標の達成のために、カーボンクレジットに頼らざるを得ないのが現状です。
アジア | インドネシア、ネットゼロ推進の一環としてカーボンクレジット取引を開始する
- インドネシアは、ネットゼロ排出達成への取り組みの一環として、カーボンクレジット取引制度を導入した。
- 当制度は、企業や産業界に炭素排出削減を奨励する仕組みであり、カーボンクレジットの販売を通じて排出削減を収益化する機会を提供する。
- インドネシアのカーボンクレジット取引への参加は、気候変動を防ぎ、温室効果ガスの排出を削減するための世界的な取り組みと調和しており、国際的な気候目標と合意に貢献している。
- 詳細はこちらの記事をご覧ください: Bloomberg Green, Reuters, Nikkei Asia
Codoのコメント: インドネシアのカーボンクレジット市場への参入は、国際的な企業から大きな支持を得ている。インドネシアにおける多くの炭素プロジェクトは、他の先進国と比較し比較的低コストで実施できるためだ。また、先進国では炭素市場がより一般化している。クレジット制度は、インドネシアが豊かな資源を採掘している現実に対して、環境への負荷を軽減し、環境持続可能性に大きく貢献する。
さらに、日本を含む多くのアジア諸国は、インドネシアのユニークで広範な炭素貯留ポテンシャルと地理的状況を重視している。カーボンクレジット制度は、国際的な炭素貯留供給チェーンを確立するための一歩である。当制度の実行については、NPOや科学コミュニティによって監視される必要がある。ただし、多くの既存産業は規制の強化に苦しんできたため注意が必要だ。炭素取引はまだ発展途上でありグレーゾーンも存在する。そのため、世界中で市場を悪用しようとする動きも見られており、警戒が必要だ。
アメリカ | 米カリフォルニア州、温暖化巡り石油大手を提訴
- カリフォルニア州は、主要な石油会社5社(エクソンモービル、シェブロン、シェルなど)が自社製品・サービスが気候変動につながる恐れがあるにも関わらず、そのリスクを隠蔽してきたとし、訴訟を提起した。
- カリフォルニア州は、石油会社が自社製品・サービスが与える環境への影響を把握していたにも関わらず、利益を守るために一般市民や政策立案者を誤った方向へ誘導したと主張している。
- 当訴訟は、石油会社がカリフォルニア州の環境法を犯したとし、彼らの虚偽行為に対する財政的な制裁を求めている。また、気候変動に関連する山火事や海面上昇などの現象についても、石油会社に責任追求を行うとのこと。
- 詳細はこちらの記事をご覧ください: The New York Times, Financial Times, Reuters
Codoのコメント: このケースは、多くの危機的状況は企業によって主導されており、結果的にこれらの企業が罰せられるというアメリカ独特の経済・社会システムを特徴づけている。1970年代初頭から製品の有害な影響についての証明する公開文書があることを踏まえると、この訴訟の行方は明らかである。重要なのは、カルフォルニア州が積極的なディスインフォメーション・キャンペーンがあったことを証明することであり、単なる無知が原因ではないと示すことだ。カルフォルニア州が勝訴した場合、最高裁判所まで上告され、支払いが大幅に遅延する可能性があることには留意が必要だ。
ヨーロッパ | ヨーロッパの電力産業、老朽化した送電網がグリーンエネルギー目標に重大なリスクをもたらす可能性があると警告
- ヨーロッパの電力産業は、老朽化した電力網がヨーロッパのグリーンエネルギー目標に重大なリスクをもたらす可能性があると警告した。
- 老朽化し追加電力の送電が困難と思われる電力網インフラにより、風力や太陽光発電などの再生可能エネルギー源の増加が困難になることも考えられる。
- 電力網を更新することは、再生可能エネルギーがもつ不安定な電力供給の性質に対する対策や、老朽化した電力網の欠陥を防ぎ、低炭素エネルギーへスムーズに移行するためには不可欠だ。
- この警告は、より持続可能で脱炭素のエネルギー部門への移行を目指す欧州の取り組みにおいて、送電網の改善やインフラ整備への投資が重要であることを強調している。
- 詳細はこちらの記事をご覧ください: Reuters, The Business Times
Codoのコメント: 再生可能エネルギーに関する議論では、効果的な輸送と分配がしばしば見落とされがちだ。多くの人々は、自分の家に供給される電力線を見て、安堵し、この問題が解決されていると考えがちだ。しかし、実際には、ほとんどの電力網が半世紀以上前に建設され、最低限の更新・メンテナンスを行っているのみである。従って、これらの電力網は、現代の需要増加や分散型かつ断続的な供給負荷に対応した設計となっていないのが現実だ。この問題に対して、研究者や企業が過去10年間で「スマートグリッド」技術を設計してきたことは良い変革であったといえる。しかしこのような問題はヨーロッパに限ったことではない。アメリカではテキサス州で厳しい冬の寒さが電力網に大きな影響を与え、同様の課題に直面したことがあった。また、日本は災害に対する耐性が高い一方、周波数の異なる東日本と西日本の電力融通を可能にするためには余分なインフラが必要であり、発電地から需要地への電力を効果的に分配することが格段に難しい状況だ。
世界 | IEA発表 2030年までに化石燃料需要の25%減が必要、2050年までのネットゼロは急速な再生可能エネルギー拡大で可能
- 化石燃料需要削減:IEAは、地球温暖化対策にあたって、2030年までに世界の化石燃料需要を25%削減することを求めている。
- 2050年までのネットゼロは実現可能:IEAは、急速な再生可能エネルギーの拡大により、2050年までにネットゼロ排出を達成することが可能であると主張した。
- 鍵は再生可能エネルギー:IEAは、化石燃料の代替として再生可能エネルギー容量を大幅に増やす必要性を強調した。
- 緊急の気候行動:IEAは、地球温暖化を制限し、持続可能な未来を確保するためには、早急かつ野心的な気候行動が不可欠であると主張した。
- 詳細はこちらの記事をご覧ください: Bloomberg Green, International Energy Agency, Nikkei Asia, Financial Times
Codoのコメント: 化石燃料の急速な段階的廃止の必要性は今に始まった要求ではない。しかし、「低排出量」とされるLNGなどの化石燃料への大規模な投資によって行動が遅れており、直ちに行動を起こさなければならない危機的な状況に直面している。 LNGの流通過程で深刻なメタン漏れが起こっていることが証明され、総排出量は石炭使用時と同等であることが判明しており、私たちの努力は全くもって効果がなかったと言える。改めて、迅速な対応が求められている。一方、再生可能エネルギーへの移行を急ぐあまり、再生可能エネルギー技術のサプライチェーン全体への配慮が薄れ、採掘行為が更なる環境破壊を引き起こし、適切な移行を大きく損ねる可能性がある。このような無秩序で無計画な移行に伴うリスクを「移行リスク」と呼ぶ。移行は避けて通れないものであるが、これまでの行動の遅れによって、より迅速な移行が必要となった場合、回避できたはずの社会・環境・経済的追加コストが発生することがある。そのため、これ以上行動を遅らせることなく、適切かつ迅速な移行を行う努力を継続することが求められている。

