ウィークリーニュース| 2022年9月13日〜19日

Codo Advisory は、世界と日本の気候変動対策や企業のサステナビリティに関する最新のイベントやトレンドをお伝えしております。先週の注目ニュースをまとめてご紹介いたします。

国際 | S&P:気候変動が資産価値に与える影響が明らかに

  • S&P Globalが最近発表したデータ分析ツールによると、2050年代までに世界の大企業の90%以上が、山火事や洪水などの物理的な気候リスクにさらされる資産を少なくとも1つ有していることがわかった。  
  • 多くの企業が気候変動リスクにさらされる中、リスク評価プロバイダーは顧客から、より細かいESG関連情報の提供を強く求められている。
  • ストックホルム大学とエクセター大学が主導した最近の研究では、たとえ各国がパリ協定の1.5℃まで地球温暖化を抑制できたとしても、気候の転換点に達し、今後数十年で危険性を悪化させる可能性があることが示されている。 
  • この記事についてもっと読む: Responsible Investor, Novethic Essentiel 

国際|GFANZ Race to ZeroイニシアチブがESGガイドラインの遅れで批判を受ける

  • カーボンニュートラルの実現に向け、COP26後にGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)が立ち上げた「Race to Zero」イニシアティブは、金融機関がカーボンニュートラルを達成するためのアソシエイトとなることを目指す。しかし、一部のメンバーのコミットメントが弱すぎるとの指摘も多い。従ってESGガイドラインの更新プロセスを共有しなければ、イニシアチブから排除されるメンバーも出てくる可能性がある。 
  • ShareAction(英国)、BankTrack(オランダ)、Reclaim Finance(フランス)を中心とする16のNGOは、Net Zero Banking Alliance(NZBA)のメンバーに対し、化石燃料関連プロジェクトへの融資を抑制し、公約を確実に遵守するための説明責任メカニズムを構築するよう要請している。  
  • この記事についてもっと読む: Responsible Investor, Novethic Essentiel 

Codoからのコメント: 民間企業に続き、気候変動への取り組みの主張に関しても、より透明性と説明責任を求める圧力は、今や国際的なイニシアチブにも及んでいる。COP26での設立から1年、GFANZ(グラスゴー金融連盟)は11月にエジプトで開催されるCOP27でその進捗を報告することが期待されている。

米国|ESGの取り組みを保証するため、企業に新たなグリーンリスト基準を施行へ 

  • 公益法人グリーンエクスチェンジ(米)は、環境に配慮した新しい株式取引所「グリーンインパクト取引所(GIX)」の登録に向けて、米国証券取引委員会と協議を開始し、グリーン投資家とグリーンコーポレートガバナンスに取り組む企業を結びつけることを目指す。 
  • GIXは、上場企業にESGへのクリーンな投資とその成果の開示を求め、新たなグリーンリスト基準を2023年に導入する予定。
  • この記事についてもっと読む: Bloomberg  

米国|パタゴニア創業者が気候危機への対策のために会社を譲渡しNPOに寄付

  • アウトドアアパレルのブランド、パタゴニアの創業者で億万長者のイヴォン・シュイナードは、約30億ドル相当の同社の所有権を、特別に設計された気候変動と戦う非営利団体であるPatagonia Purpose Trust and Holdfast Collectiveに譲渡すると発表した。 
  • ESG目標などで解決したい問題を積極的に助長していると億万長者や企業批判される中、この異例の動きで新しい形の資本主義にアピールすることになると、シュイナード氏が述べている。 
  • この記事についてもっと読む: Reuters, NY Times 

ロシア|国として初めての気候変動訴訟に直面するロシア政府  

  • 気候活動家のグループが、ロシアで初めて気候に関する訴訟を起こし、政府が気候に関する無策で欧州人権条約に違反していると告発し、国の温室効果ガス排出を削減するための重要な行動をとるよう求めている。 
  • ロシアは世界で4番目に汚染している国である。また、国際平均の2倍の速さで温暖化が進んでおり、永久凍土の融解、シベリアでの山火事拡大、野生動物の絶滅を引き起こしている。  
  • ロシアの炭素排出量は2030年には22億トンに達すると予測されているが、パリ協定を達成するためには、同年までに10億トン以下(1990年代の31%)という節目を迎えなければならない。9月13日現在、政府は2050年までに18億3,000万トンまで削減する計画にとどまっている。 
  • この記事についてもっと読む: The Guardian, Ecowatch 

韓国|電力使用量トップのサムスン、脱炭素化への取り組みを発表するものの、バリューチェーン全体での排出量に取り組めず 

  • 韓国最大の企業は、2050年までに直接的な公害の削減を達成することを目指している。この目標達成と顧客や投資家による批判に応えるため、サムスンは炭素回収・貯留、リサイクル、半導体製造時の水消費量の削減に投資する予定。それにもかかわらず、同社はバリューチェーンで発生される排出に取り組む計画をまだ策定していない。 
  • 国内最大の電力消費者であるサムスンの化石燃料の使用は、消費と生産における韓国の基準を示している。2021年に同社が消費したエネルギーは32,322ギガワット時で、これは同年の韓国の風力、太陽光、水力発電の総量に匹敵する量である。 
  • 韓国政府は企業を積極的に支援していないため、サムスンの影響力は、国家レベルでのESG政策の変更を実施する上で、真の変化をもたらす可能性がある。 
  • この記事についてもっと読む: Reuters, Bloomberg 

Codoからのコメント: 今回の発表は、韓産業界のリーダーであるサムスンが、世界の消費者や投資家からの期待が高まっていることを意識していることを示している。しかし、2050年の計画を直接排出(スコープ1、2)に限定し、サプライヤーやユーザーからの排出(排出量の70~90%を占めるスコープ3)を考慮していないため、まだ大きな一歩を踏み出すには程遠い状況である。これに対し、アップルはスコープ1+2+3のすべてでカーボンニュートラルを実現することを、2050年ではなく2030年までに約束している。

国内|石油元売り大手が石油産業の衰退に備える

  • ENEOSホールディングスは、日本の化石燃料の需要が2040年までに人口減少などで50%減少すると予想され、来年は10カ所の製油所を閉鎖しなければならないと発表した。
  • 経済産業省によると、2021年度から2026年度にかけて、石油製品の需要の7.1%減少が予測されている。しかし、ガソリンへの補助金により、現在の円安状況や需要減退の影響をある程度防ぐことができている。  
  • ESGの圧力に負けないよう、ENEOSは2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指し、2023年3月までに再生可能エネルギーに28億ドルを投資する計画を発表した。明確な計画がなく、政府の支援も認められていないため、このような決議の効果的な結果を評価することは困難である。  
  • この記事についてもっと読む: Bloomberg, Japantimes  

Codoからのコメント: ENEOSがワールドベンチマークアライアンス(WBA)の石油・ガス産業の気候ベンチマークにおいて、国際企業100社中11位にランクインされている。しかし、この日本企業の比較的良い順位は、むしろこのセクターの脱炭素化の対応力が非常に低いことによる結果でしかない。ENEOSは、脱炭素化移行戦略を評価するACT手法2.6Cというスコアを獲得し、平均10B、最高20Aというスコアから大きくかけ離れた結果となっている。WBAによると、「ENEOSの排出強度は、1.5℃パスウェイで求められる変化率にまだ対応できていない」ことを示している。

Receive our weekly news in your mailbox

About our weekly news

The above article is a summary of news hand-picked and commented on by our team of experts. We monitor a selection of leading international and Japanese sources, including generalist and specialized press, communication from public authorities, and publications from recognized non-profit organizations.

This edition was prepared by Enzo Monique and reviewed by Stéfan Le Dû. 

翻訳:Jeanne Hamidou

About us

Codo Advisory is a Japan-based consulting agency offering independent advisory services to help Japanese companies define and refine their low-carbon transition strategy, to reduce their risks and reinforce their global competitiveness. Feel free to read more about our services and team, or contact us if you’d like to discuss how we can work together.


Codo Advisoryをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む