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ウィークリーニュース | 2022年4月9日~16日

Codo Advisoryは、世界と日本の気候変動対策や企業のサステナビリティに関する最新のイベントやトレンドをお伝えしております。先週の注目ニュースをまとめてご紹介いたします。

国際|CSS(炭素回収・貯留) : 気晴らしなのか、それとも有望な解決策なのか?   

  •  IPCCの最新報告書で強調されたように、CO2回収・貯留(CCS)を導入せずに、カーボンニュートラルが達成不可能であるという事実には、現在合意が得られている。しかし、脱炭素化におけるCCSの適切な役割については議論の余地がある。CCSに過度に依存すると、排出源から削減するための、より迅速で効率的な他の行動を阻害する可能性がある。
  •  気候変動の専門家は、脱炭素化のためには、化石燃料の消費を止めることを優先しなければならないと主張している。また、再生可能エネルギーなどの安価な技術はすでに利用可能であり、発電などの部門の脱炭素化にはより迅速に展開することができ、よって高価な技術である CCSは限定的に使用すべきであるという。
  •  国によっては、貯蔵能力も問題になると考えられる。英国のNGOトランジションゼロの報告書の中で、「日本の地中貯留の可能性は限られており、CCSは石炭をエネルギーミックスに維持するための持続可能な解決策ではない。日本の貯蔵能力はわずか10年で枯渇する可能性がある。」と警告されている。

 欧州|環境に優しい製品を支援するVATルールの更新

  • 欧州委員会は、30年来の付加価値税(VAT)に関する規則の改正に取り組んでいる。VATの近代化は、関連の規則をEUの気候政策や新型コロナ後の持続可能な経済回復に向けた努力と整合させることを目的としている。   
  • 「環境付加価値税」または「エコ免税化」と呼ばれるこの新しいルールは、グリーン製品に付加価値税を免除し(=20%の価格低下)、安価な汚染性の高い代替品に対して、経済的な魅力をアップするものである。   
  • この改正を長く支持して続けたコンサルタントグループは、「ル・モンド」のコラムで、「エコ免税化」を「経済モデルを大きく転換させる武器」と表現している。これは、改正によって、生産工程が環境に与える影響(外部性)を最終消費者価格に内部化し、消費行動と環境問題等の調和に役立つと考えられる。   

米国|米国上場企業の本格的な気候変動関連情報の開示へ

  •   米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、BloombergとCeresとのインタビューで、企業の気候情報の開示を求めることはSECの役割の一部であると主張した。   
  •  ゲンスラー委員長は、SECの「伝統的な情報開示」を、世界中で高まっている気候関連情報開示への要求と調和すべきであると述べた。
  • また、先月発表された提案の変更点などについて、SECはフィードバックを受け付けていることを指摘した。業界のロビイストは、SECの提案は権限外であると異議を唱えると予測されている。   

フランス|株主がTotalEnergies社に対して新たな気候変動に関する動議を提出

  • フランスの石油・ガス大手TotalEnergiesは、5月25日に開催される株主総会にて、気候変動に関心を持つ投資家と対決する準備を進めている。株主の12人(株主資本の0.8%)は、同社に対し、投資方針をパリ協定の目標に一致させ、気候戦略に関する「包括的で質の高い情報」を提供するよう、求める株主提案を提出した。   
  • 近年BP、Shell、Exxon Mobilは同様の動議に直面した。このようなケースは、気候変動の緩和と適応に関する化石燃料の巨人企業たちにかかる圧力の高まりを反映している。   
  • MN Services NV(オランダ)やLFDE(フランス)など、 TotalEnergiesへの働きかけをリードする投資家や資産運用会社は、世界的に企業の地球温暖化防止への誓約や行動をより厳しくチェックするようになっている。現在、ほとんどの企業が十分な行動をとっていないため、これらの決議はより頻繁に行われるようになり、すでに株主からの支持も増えている。

この記事に関するその他の記事 :ブルームバーグ、ロイター、Challenges(フランス) 

欧州・日本|欧州のエネルギー危機は “日本の進むべき方向性を示している”   

  • この2年間にわたって、世界的なエネルギー消費の増加は、コロナ禍と最近の地政学的状況を原因に、化石燃料価格の高騰を引き起こした。
  • 再生可能エネルギー研究所によると、2021-2022年の冬に、ヨーロッパの電力システムの落とし穴が露見したとはいえ、ドイツが3月に一時的に風力と太陽光発電のみで電力需要の100%を満たすことに成功したように、再生可能エネルギーに係る経済的可能性の光明も見えた。
  • これは、技術的な解決策によって再生可能エネルギーの供給能力が安定化すれば、エネルギー安全保障とカーボンニュートラルの両立はただ時間の問題であることを示唆している。   
  • 今回のエネルギー危機で最も被害を受けたのは、ロシアからの化石燃料の輸入に強く依存していた欧州だったが、主な輸入国である日本も危機的状況にある。 したがって、日本は欧州と自らの教訓から迅速な対策を導き出す必要がある。  

日本|銀行や上場企業に対するNGOや活動家投資家の圧力の高まり  

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループに対するキャンペーンを主導した環境NGOとアクティビスト投資家は、三井住友フィナンシャルグループに対する株主提案を初めて提出した。 そして東京電力と三菱商事も、2022年の株主総会で、同団体による措置に直面することになる。 
  • 気候変動対策に説得力のない企業を標的にする投資家の要請は、欧米で拡大しており、日本に押し寄せている。
  • 銀行や企業が2050年までにネットゼロを目指すと公言しているにもかかわらず、多くの企業が目標達成のための明確な戦略を持たず、化石燃料集約型のプロジェクトを支援することがほとんどである。現状の行動は企業の長期目標に沿ってないのである。

この記事に関するその他の報道 : 日本経済新聞、ロイター 

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上記の記事は、Codo Advisoryの専門家チームが、一般紙、専門紙、公的機関、非営利団体の出版物など、国内外の主要な情報源から厳選したニュースをまとめたものです。記載されたすべての意見は、参考文献の著者の意見のみを反映するものです。

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