「気候変動と人権」序章
「気候変動と人権」といった分野をご存じだろうか。「気候変動」分野と「人権」分野を個別課題として捉えるのではなく、気候変動や気候変動対応による「人」への影響を鑑みることを指す。筆者が様々な文献を読み漁っていく中で気づいた点としては「気候変動と人権」の議論は、実は表裏一体の関係にある、二つの事柄を示すということである。そしてこの二つの事柄は可能な限り分類したうえで語ることを推奨し、本記事で理由を述べていきたい。
「気候変動と人権」といった分野をご存じだろうか。「気候変動」分野と「人権」分野を個別課題として捉えるのではなく、気候変動や気候変動対応による「人」への影響を鑑みることを指す。筆者が様々な文献を読み漁っていく中で気づいた点としては「気候変動と人権」の議論は、実は表裏一体の関係にある、二つの事柄を示すということである。そしてこの二つの事柄は可能な限り分類したうえで語ることを推奨し、本記事で理由を述べていきたい。
2023年、世界で53.5億人が合計305億台のデジタルデバイスを使用-1人あたり平均で約6台のデバイスを保有―していた。デジタル技術は今や私たちの日常に不可欠な存在であり、仕事の進め方やコミュニケーションのあり方、さらには世界との関わり方までも大きく変えている。その中でも人工知能(AI)の存在感は急速に高まっている。AIは産業界を変革し、新たな可能性を切り開いている一方で、AIの影響力が拡大するにつれ、その環境への負荷も増大しているのが現状だ。こうした背景から、「AIの環境への影響は最終的にプラスなのか、それともマイナスなのか?」という重要な問いが、今まさに浮上している。
気候変動の解決策を検討する際、現在排出されているGHG排出量に焦点を当てがちである。例えば、温室効果ガスインベントリやGHG算定は、これまでのGHG排出量の把握に特化している。しかし、既存のインフラ、政策、およびコミットメントによって、将来の排出量はすでに「ロックイン」されているのだ。これらのカーボンロックインを理解することは、気候変動対策を効果的行うために大変重要である。では、カーボンロックインとは具体的にどのような概念であり、なぜ注意を払うべきなのだろうか?