日本の野心的な第7次エネルギー基本計画:近未来エネルギー(前編)
世界的にエネルギー需要がこれまでにないペースで増加する一方で、地政学的な対立が深まっており、各国はエネルギーの安定確保をこれまで以上に重視するようになっている。さらに、気候変動の影響が予測以上のスピードで深刻化し、対応の遅れが将来の取り返しのつかない環境変化を引き起こすリスクにつながる可能性が指摘されている。こうした環境をめぐる国際動向に加えて、日本国内でも経済構造の変化や政治の不安定さも重なり、社会基盤となる重要なインフラ開発への関心が高まっている。このような状況下で、日本企業が低炭素型のビジネスモデルへ移行するためには、安定的でクリーンなエネルギー源を確保することがこれまで以上に重要と考えられ、「原子力発電の再拡大」と「メガソーラー(大規模太陽光発電施設)の台頭」の2つの戦略が、日本のエネルギー目標を達成する手段として注目されている。本連載では、各戦略の科学的根拠を検証し、その利点、コスト、そして日本のエネルギーシステム全体における位置づけを多面的に考察する。まず前編では、変化するエネルギー情勢の全体像と、原子力発電・メガソーラーを解決策として期待する世論の動向を分析する。各戦略における技術を深掘りし、日本における最も適したエネルギーミックスを考察したい。


