Codoのインサイト

Codoのインサイト, ESG 規制, ESG情報開示

激動の時代における成功の鍵は “Slow and Steady”:ISSB、SSBJ、CSRD、米国のESG規制動向

日本は予定通り、ISSB準拠のESG報告基準である「SSBJ基準」を発表しました。プライム市場の上場企業は2028年から、時価総額が最大の企業に対し、TCFD報告に代わってSSBJ報告が義務付けられます。本基準には特に驚くべき内容や極端に挑戦的な要素は含まれておらず、日本の規制によく見られる堅実な内容になります。わずか4ヶ月前であれば、このような控えめな基準に対して物足りなさを感じる声もあったかもしれません。しかし、現在の政治的・規制的環境が変動する中で、日本の規制が持つ安定性と一貫性は、むしろ評価すべき点と言えるでしょう。社会が落ち着きを取り戻した際には、サステナブルな未来に向けた取り組みが着実に進展するという希望の証となっています。

Codoのインサイト, 人権

公正な移行(Just Transition)と社会的公平性(Social Equity):脱炭素社会への移行に欠かせない視点

脱炭素社会への移行が急速に進む中で、その裏側にある「見えにくい影響」を見過ごしてはいけない。取り組みによって社会的格差や人権侵害を助長してしまうリスクがある今、企業は「公正な移行(Just Transition)」と「社会的公平性(Social Equity)」の視点を持つことで、レジリエンスを高めることができる。本記事では、これらの概念の基本から、移行に伴う人権侵害の事例、企業が取り組む際のステップまでを取り上げ、企業の持続可能な社会への「公正な移行」について考える。

Codoのインサイト, 気候変動

AIの環境への影響:プラスかマイナスか?

2023年、世界で53.5億人が合計305億台のデジタルデバイスを使用-1人あたり平均で約6台のデバイスを保有―していた。デジタル技術は今や私たちの日常に不可欠な存在であり、仕事の進め方やコミュニケーションのあり方、さらには世界との関わり方までも大きく変えている。その中でも人工知能(AI)の存在感は急速に高まっている。AIは産業界を変革し、新たな可能性を切り開いている一方で、AIの影響力が拡大するにつれ、その環境への負荷も増大しているのが現状だ。こうした背景から、「AIの環境への影響は最終的にプラスなのか、それともマイナスなのか?」という重要な問いが、今まさに浮上している。

Codoのインサイト, 再生可能エネルギー

CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯蓄)で脱炭素は実現できるのか?

CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)は、二酸化炭素(CO₂)の排出源(発電所、産業施設、その他の主要な排出者)でCO₂を回収し、CO₂を再利用するか、大気中に放出しないように貯留するためのさまざまな技術を包含する。CO₂回収の様々な研究や功績は何十年も前から存在してきたが、パリ協定の下で設定された気候変動目標の達成に向けて、CCUSは再び注目を集めている。本稿ではまず、CCUSについて解説し、次に、CCUSのいくつかの世界的なケーススタディを取り上げながら、当技術の進化と課題を説明する。そして最後に、日本におけるCCUSの現状について取り上げる。

Codoのインサイト, インタビュー, 生物多様性

インタビュー | 田んぼソムリエ 林 鷹央氏

日本の田んぼには、さまざまな生きものが暮らしています。その生態系の魅力を伝え、守る活動を続けているのが「田んぼソムリエ」林 鷹央氏です。もともとはデザイナーとして活躍していましたが、メダカの絶滅危機をきっかけに田んぼの生物多様性に関心を持ち、本格的に取り組むようになりました。以来20年以上にわたり、農業と自然環境保全を結びつける活動を続け、「加点式生きもの認証」などの独自の取り組みも進めています。本インタビューでは、林氏が「田んぼソムリエ」として歩んできた道のりや、生物多様性への思い、そして未来への展望についてお話を伺いました。

Codoのインサイト, ESG 規制, ESG情報開示

企業の準備状況からみる、CSRD対応の実態

企業のサステナビリティ報告を義務付ける Corporate Sustainability Reporting Directive (以下CSRD)は欧州企業及び欧州でオペレーションのある企業への段階的な開示請求が2025年から開始する。CSRDは、既存の非財務情報開示指令( Non-Financial Reporting Directive、以下NFRD 2014)を改訂し、ダブルマテリアリティの概念を拡大する。これにより、企業は「財務マテリアリティ」(持続可能性要因が企業にどのように財務的影響を与えるか)と「インパクト・マテリアリティ」(企業活動が環境や社会にどのように影響を与えるか)の両面を開示する必要がある。CSRDの下で企業は、「欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)」に基づいて報告を行う必要があり、これは12項目(ESRS1~2、ESRS E1~5、ESRS S1~4、ESRS G1)を包含しており、将来的には欧州以外の企業にも適用が拡大される予定だ。2025年の初回報告義務を控え、欧州では既に多くの企業が準備を進めている。本記事では、これらの企業の現在の取り組みを解説するとともに、CSRDの特徴について解説していく。

Codoのインサイト, ベンチマーク

企業の都市環境影響評価:日本企業の対応状況は?

2024年10月に発表されたWorld Benchmarking Alliance(WBA)の初めてのアーバン・ベンチマークでは、都市のニーズへの対応状況について、影響力のある企業300社が評価された。今回のCodo Insightsでは、ベンチマークの主な調査結果をまとめるとともに、日本企業のパフォーマンスを分析する。

Codoのインサイト, インタビュー

インタビュー | Codo Advisory 取締役 青木ユリシーズ

青木 ユリシーズは、サステナビリティ分野において10年以上の経験を持つ実践派のリーダーです。新卒ではサステナビリティのコンサルティング業務からスタートし、国内外の大手企業のプロジェクトをリードする傍ら、ユニコーン企業やインパクト投資ファンドにおいてもその手腕を発揮されてきました。その中で得た豊富な知識と多様な視点を生かし、このたびCodo Advisoryに加わり、新たな挑戦に臨まれています。今回のインタビューでは、サステナビリティ分野を志すに至った背景、これまでのキャリアを持って学んだサステナビリティの潮流に対する認識、そしてCodoに期待する未来についてお話を伺いました。

Codoのインサイト, ESG情報開示

TISFD: ESGの「S」に迫る

TISFD  (Task Force on Inequality and Social-related Financial Disclosures) が2024年9月に発足され、ホワイトペーパーである「People in Scope」が発行されました。断定的なフレームワークが現段階では提示されていないためTISFDが企業にとって何を意味するのかまだ未知数でありますが、本記事ではTISFDの背景や、人権や人的資本等との関連領域の比較をするとともに、今後の展開の予測や日本企業への影響等を解説をしてみたいと思います。

Codoのインサイト, 気候変動

この投資、危ないかも⁈ 「カーボンロックイン」とは?見分け方は?

気候変動の解決策を検討する際、現在排出されているGHG排出量に焦点を当てがちである。例えば、温室効果ガスインベントリやGHG算定は、これまでのGHG排出量の把握に特化している。しかし、既存のインフラ、政策、およびコミットメントによって、将来の排出量はすでに「ロックイン」されているのだ。これらのカーボンロックインを理解することは、気候変動対策を効果的行うために大変重要である。では、カーボンロックインとは具体的にどのような概念であり、なぜ注意を払うべきなのだろうか?